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いあ、いあ、はすたあ! くふあやく、ぶるぐとむ、ぶぐとらぐるん、ぶるぐとむ!
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 「やっぱり王道ストーリーの方が見てて楽しいかも
何より安心して見られるよ」

かつて、各期のアニメのほぼ全てを視聴し
その全てに対して毎日のようにレビューを書いていた
自他共に求めるガチアニオタの友人が、
ふとそんな一言を漏らしていたのを思い出した。

その頃の僕はというと、
ちょうどキャラ萌え一辺倒のアイドル志向にはやや食傷気味で、
人が木の実から生まれてキリンが王を選ぶような一風変わった世界観やら
裏切りと嘘が交錯し複雑怪奇に絡み合う展開やら、
タダでは終わらないエピローグ後のどんでん返しやらが大好物っていう
生き馬の目で飛ぶ鳥を睨み殺す勢いの
末期型厨二病真っ盛りだったものだから、
僕なんかよりずっとその道の玄人であろうはずの友人の言葉が
少し意外に感じられたように思う。

いや、そもそもがどういった要素を重視し、
作品をどの角度から鑑賞するかというだけの「違い」であって
玄人か素人かなどという一次元的な階級意識自体がナンセンスなのだけれども。

ちなみに知る人ぞ知るイキューズの術式理論を構築したのも
大体この時期だったりするのだけれど、それはまた別のお話。

でまあ、あれから何年経っただろうか。
西から上ったお日様が東へ沈むような大事件もなく月日は巡り、
僕もまたネット配信というものに触れたりして、
当時のあの人の足元にも及ばないくらい気まぐれかつ不定期に
レビューのようなものを書く立場にもなってみて、
ようやく冒頭の格言が「言葉」でなく「心」で理解できた。

今期、あれだけ大量のアニメを見始めて、
最終的に継続して見続けているのが
伝説の勇者の伝説とフェアリーテイルだけというのは、
やっぱりそういうことなんだろう。

原点回帰といえばそうなのかもしれないし、
二週目といえないこともなさそうだけれど、
とにかく、先の展開が容易にイメージできるということが、
ある種の安心感をもたらし、ひいては最近とみに重たい視聴ボタンを
幾分軽くしているというのはほぼ間違いない。

それはアニメだけに限ったことじゃなく、
ゲームの世界においてもひたすら顕著だ。
流石にレトロリメイクの流れにまでは乗れないが、
ディスク黎明期に隆盛を極めたタイトルや、
最近の話ではICOやワンダのHDリメイクなんかには
やはり心惹かれるものがある。

逆に、ゲームの携帯機化やメディアの3D化には
徐々についていけなくなりつつあるような気がして
文化人としての自分のあり方にどこか一抹の焦燥を覚える。
まあ、配信者だってのもあるかもしんないけど。

こらそこ、歳かとか言わない。
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 可能ならば、一日の大半を静寂の中で過ごしたい。

静寂といっても、
自分の心臓の音が聞こえるくらいなんて贅沢は言わない。
ただ、人為的っていうか、
不規則で突発的な物音がほとんどしないところに居たいと思う。

携帯はいつだってマナーモード。
目覚まし時計なんて一年以上使ってない。
インターホンにはタオルを詰めて極力音が出ないようにしてある。

誰かの声や、他人の立てる物音を聞くのも苦手だし、
反対に自分の音を誰かに聞かれるのだって嫌だ。
ゲームの音がヘッドホンから外に漏れてないかすごく気になるし、
周りにある音がどういう理由でどこから出てるのか
一々把握してないと落ち着かない。

僕がそういう風になったのは
一人暮らしを始めてから今までのごく最近のことかもしれないし、
あるいは、それ以前のずっと小さな頃からそうだったのかもしれない。

ただ、とりわけ僕が拒否反応を示すのが
突き上がってくるような低音や
大型車両のエンジン音などであることを考えると
それはやっぱり・・・。

先日、環境音を生成するソフトを見つけた。
これで少しは気が紛れればいいんだけど。
 先日、少し人気のない場所まで遠出する用事があったので、
本当に久しぶりに屋外でマスクとサングラスを外してみた。
ああ、それとフードも。

まず最初に感じたのは匂い。
空気ってここまで強い匂いがするものだったかな・・・。
外気特有の乾いたクルミのようなちょっと香ばしいのをベースに、
アスファルトに染み付いたゴムの香り、
どこから流れてくるのかスギの樹皮の香りが少しだけ、
それから、石鹸のような甘い香りもする。

昨夜の献立が焼き魚だった家はすぐ分かってしまう。
いい塩梅に焦げた匂いがしばらくずっと染み付いているから。

一箇所だけ、むせ返るように濃いスープの匂いが漂う場所があった。
ラーメン屋か、大衆食堂か・・・
いずれにせよこんな時間にやってるなんて珍しい。
前を通ると、そこだけ空気が湿っていて暖かい・・・ていうか、ぬるい。

普段は、目深に被ったフードを無遠慮に剥ぎ取ろうとする
厄介で煩わしいものの一つでしかない風も、今日は機嫌が良いみたいだ。
緩やかに僕の髪を弄び、露になった首筋や頬を撫でてくれる。

それから、色。
街灯のせいもあるけれど、夜中だというのにやたらと明るくて、
薄暗い紫色に塗り潰されていた世界が、
こんなにも鮮やかだったことを知る。
いや、思い出しただけか。

音は・・・あんまり変わらないかも。
遠くを走る車の音とかは幽かに響いてくるけれど、
僕の好きな音を聴くにはもっと自然に近い場所に行かないと駄目みたいだ。

見たことのない町の、誰もいない小さな公園で、
僕は一人ブランコを濃いでみる。

昔から僕はこの単調な振り子運動が好きだった。
大抵近くに誰かが居るから学校ではあまりやらなかったけれど、
家に帰ってからは昼夜を問わず
庭でブランコを濃いでばかりいたかもしれない。

ああ・・・そういえば、うちの庭にはブランコがあったんだ。
公園で日暮れを過ぎても延々とブランコを漕ぎ続ける僕を
見かねて祖父が作ってくれたものだ。

木製だから公園のものほどしっかりした造りじゃないものの、
操縦席(祖父がそう呼んでいたのだ)が特別製で
長時間座っていても腰が痛くならない。

僕はもう帰ることはないだろうけれど、
あれはまだあの場所にあるだろうか。
人「なにこれ・・・かわいいね、サボテン?」

僕「サボテンダー」

人「・・・」

僕「サボテンダーです」

人「・・・ああ・・・うん、毛が三本生えてるね」

僕「それは針です」

人「針なんだ・・・」

僕「針千本という技を使います」

人「ハリセンボン? 刺すの?」

僕「針を千本飛ばして攻撃する技です」

人「へえ・・・それ、人間に当たったら死んじゃうね」

僕「まあ、レベルが低いと即死ですね」

人「ありがとうね」

僕「・・・いえ別に」

人「・・・」

僕「・・・」

人「・・・かわいいね、この・・・サボテンマン」

僕「サボテンダーです」
 僕の携帯電話には、ふと気づけばいつも
不在着信や未読メールばかりが溜まっている。

それを見るたび、外界の時間の流れの目まぐるしさに
ひどい頭痛を覚えるのだよ。
あまりの速さに触れるだけで木っ端微塵になりそうだ。

何か言葉を返すべきなのだろうけれど
どれもいまいちしっくりこなくて、
そこでいつも投げ捨てるように携帯を手放す。

僕ってやつは昔から、感謝するということが苦手だった。
どれほど優しくされても、高価なものを貰っても、
あるのはこれっぽちもそれに応えられない自分への罪悪感。
借りを返す力のないことへの罪悪感。

貸し借りの話じゃないとみんなは言うけれど、
じゃあ僕は一体なんなんだ?

僕の言葉は詭弁を弄して人々を煙に巻くためのものでしかなくて、
誰かの心を癒したり、ましてや利益をもたらすようなものではない。
そもそも、言葉なんてものは所詮一つの通信プロトコルに過ぎない。

それなのに、たとえ冗談交じりにでも、
「好き」とか「嬉しい」とか「ありがとう」って言葉を吐くのは
なんだかものすごく抵抗がある。

情動が乏しく吐き気のするくらい恩知らずな自分に
それを言う権利があるのかね・・・?


少し話は変わるけれど、僕は誕生日を始め
何かを祝うのも祝われるのもあんまり得意じゃない。

まあ、とはいえ・・・
そのために誰かが第三者としての僕の力が必要だって言うなら、
そりゃできる限り手を貸すけれどね。わりとノリノリで。

ただ、理解できないなりに思うところはある。

誰かのために何かをしようってのはすごい事だ。
それに対して喜びと感謝を示せるってのはもっとすごい事だ。

生まれてきて良かったなんて思えるのは、
本当に本当にすごい事だ。

それがどれだけ困難で尊いことか、
きっとそれをごく当たり前にしてきたであろう彼らには
分からないのだろうがね。

僕には感謝はできなくとも、好感を持つことはできる。
村はずれに住む人間嫌いで偏屈な錬金術師として言おう。
願わくば、かの勇者御一行に幸あれと。


あれ・・・道化?
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